3LDKに19人で雑魚寝。 この 怪 挙が決行されたのは、まだ未完成の新居に引っ越して1か月後でした。 数字の記録はその後上回っていませんが この 怪 挙は年に2回、我が家の恒例行事として定着したのです。 「隣の土地は借金してでも買え!って言うよ」の進言を真に受けて、隣の古民家と土地を購入。 恒例となった友人たちに「ささ、こちらの古民家でお休みください」とご案内申し上げるも、 トイレも水道も使えないので、 朝のトイレ渋滞&自宅の雑魚寝状態は緩和されぬまま時は流れ。 いつか建て替えたいな。漠然と思っていました。 高野君と出合ったのは2014年だったかな。 伊東建築塾の3期生として大三島の我が家を訪問されたのが最初だと思います。 個性的な風貌と温厚で人懐っこい性格。 ちょうど奥様と二人で建築事務所を立ち上げたばかりの頃でした。 来島すると「泊めてくださーい」と現れ、酒を酌み交わすうちに 「僕に設計させてください」という話になりました。 こうして高野君とさっちゃん、(MARU。architecture)に 海soraアネックスの設計を依頼することとなりました。 が、最初の提案は既存の屋根を残し、その中に建物を作るものでした。 残すことに拘った高野君を何とか説得し、新築案を何度も何度も練り直してもらいました。 お互いに残せるものは再利用したい気持ちが強かったので建具類は保管したのですが、最終的に使えたのはすりガラスの建具1組だけでした。 一緒に柱を塗装したり、細々したものの選定も手伝ってもらい、 工期の遅れていた大工さんの尻を叩いてもらったりしながら 2016年5月に完成。 シンプルでスッキリしたデザインは老若男女、 とりわけハイハイ世代の赤ちゃんには内部デッキがつかまり立ちに丁度いい高さの様で好評。笑 大きな玄関扉。海を望むガラス窓。キッチンの真ん中を貫く柱。土間と床の段差高。 彼らの多くのこだわりが結実して、気持ちの良い空間が出来上がりました。 設計は本当に大変な仕事。そしてデザインの秘めた力は大きいと実感しています。 シミや傷、お客様の痕跡が味となって深みが増すように、 愛される宿に成長していきたいと思います...